結局のところ、「キャンプに行きたいときがキャンプ日和」ではあるが、1年のうちどのシーズンのキャンプが好きかといえば、私は冬のキャンプが好きだ。
春から秋までのキャンプとはまた違った雰囲気を味わえることができるのが冬キャンプ。
人気のない静かで寂しい空間で、自分たちだけの城(テント)を築き、ゆったりした時間を過ごすことができる。
- キャンプはよくするけど、冬キャンプはしたことがない
- 春・夏・秋のキャンプには、もうなんだか飽きちゃった…
- 冬キャンプに興味はあるけど、どう楽しむのか分からない
という方に、私が思う冬キャンプの魅力について、全力で熱く語らせて頂こう。
オフシーズンの冬にするキャンプ
一般的に初心者におすすめは春と秋のキャンプ
先日、年間の気候や混雑度をデータから検証し、キャンプに最適な季節について考察を行った。
その結果、確かに「キャンプに行きやすい」季節は、秋もしくは春、それから夏であることを再認識したわけだ。
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一般的にもこれらのシーズン、特に春と秋は初心者にはおすすめだと言われている。
それは以下のメリットがあるからだ。
春・秋キャンプのメリットとデメリット
春・秋キャンプのメリット
- 暑すぎず寒すぎずベストな気候で初心者にもおすすめ
- お花見や紅葉を楽しみながらのキャンプができる
- 3シーズンテントでも対応でき、比較的少ない道具でも快適に楽しめる
春・秋キャンプのデメリット
- 連休が重なる時期が多く、常に混雑している
- 時期(梅雨や台風、最近ではゲリラ豪雨)によっては雨の心配が多い
- 日によっては日中と夜の寒暖差が激しい
しっかりした天井や壁もない大自然の中で過ごすのであれば、確かに気候的に落ち着いている春・秋キャンプは無難な時期だと言えることは違いない。
冬にするキャンプってどうなの?
では、冬にするキャンプとはどういうものなのか、まずは一般的な冬キャンプのメリットとデメリットについて再確認してみよう。
冬キャンプのメリットとデメリット
冬キャンプのメリット
- 空気が澄んでいて、夜の星空は最高。
- 虫も人がいない。のんびりキャンプを楽しめる。
- 雨が少なく、天気の良い日が多い。
- 鍋が最高にうまい。
冬キャンプのデメリット
- 日中はまだいいが、夜は非常に寒い。しっかりした防寒対策が必要。
- テント内の結露がすごい。テントの隅に置くものには要注意。
あれ?確かにメリットだけを見れは、最高の環境だとは思わないだろうか?
そしておそらく皆さんが心配するのは、デメリットのひとつめ「とにかく寒い」ということではないだろうか?
そう、確かに冬のキャンプは鬼のように寒い。
私が初めてそれを経験したのは、うめ氏、なが氏と共に行った大晦日キャンプ(12月30日)。
それは確かに極寒だった。私は決して寒さに強い方ではないし、「冬にキャンプなんてするものじゃない」と本気で思った。
しかしそれと同時に、この寒ささえなんとかすれば他は最高な環境であることを認識したわけだ。
ではいよいよ、私が冬キャンプをおすすめする理由を紹介していきたいと思う。
冬キャンプをおすすめする3つの理由
混雑しにくく、のんびりとしたキャンプを楽しめる
冬キャンプひとつめの魅力は、週末のキャンプをのんびりとした時間で過ごすことができるからである。
一般的なキャンプシーズンと言われる春、夏、秋は、キャンプ場はおろかそこに向かうまでの道中でさえ混雑してしまう。
そしてフリーのキャンプサイトに到着してからは陣取り合戦が始まり、ようやく見つけた狭いスペースで周囲に気を使いながらのギスギスキャンプをすることになる。
フリーのサイトに行くことが多い私にとっては、満足できるキャンプをするには、時間との闘いになる。いかに早く出発し、いかに早く良いスペースを確保するかにかかってくる。
予約キャンプ場についても同じことが言える。
春のゴールデンウイーク、夏のお盆シーズン、秋のシルバーウィークなど大型連休においては、数か月も前から予約をする必要がある。ましてや、万が一当日に雨が降って中止となってしまっても、じゃあ来週末に行こうなんてことは難しいということ。
あまりゆったりとした週末を過ごせないのが、私が持つ春、夏、秋キャンプの印象である。
その点冬キャンプは、家を出るときから家に帰ってくるまでを含めて、のんびりとしたキャンプを楽しむことができる。
キャンプサイトまでの道中は空いており、到着してからも人気はなく、時期によってはほぼ貸し切り状態にまでなる(大晦日キャンプがそうだった)。テントを張ってからは、あとは時間にとらわれず好きなことを好きなだけできるキャンプを楽しむことができる。人のみならず虫も少なく、日中は意外と暖かいので、テント前にコットを広げて、人目を気にせずにお昼寝を楽しむこともできる。
私がキャンプに求める「することがないという贅沢」をゆっくり堪能することができるのが冬キャンプだと思う。
逆に、川遊びなどのアクティビティを満喫するキャンプを求める方にとっては、「ただただすることがないキャンプ」になってしまうかもしれない。
私のように、非日常の空間でのんびりとした時間をキャンプに求める方にとっては、冬キャンプはぴったりだと思う。
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夏の「暑さ」に比べて、冬の「寒さ」は対策しやすい
ふたつめの魅力は、夏の暑さに比べて、冬の寒さというのは工夫次第では対策ができることだ。
キャンプ場によっては、近くにシャワーや入浴施設がないサイトも少なくはない。
1泊ならまだしもと思えるかもしれないが、これが夏の暑い時期だと、ギャッツビーの汗拭きシートでは追い付かなくなるだろう。日中のテント内は蒸し風呂状態になり、木陰やタープの下に隠れても、じめじめした湿気からは逃れられない。
電源設備などのコンセントが使えるキャンプ場では、扇風機などを持ち込むことで多少は緩和することができるが、フリーサイトとなればもう逃げ場はない(逃げ場は、川か車の中)。
では冬はどうだろう。
暑さで汗がべとべとしたり、蒸し暑いなどの不快な思いとは無縁の環境。(ただし、日中のテント設営時には多少暑くなるかもしれない)
しかしその一方で、特に日が沈みだしてからは、極寒の時が訪れる。外気温がマイナスになることも珍しくなく、都会では感じたことのないような冷たさに襲われることになる。動いても寒いし、止まっていても寒い、どうしようもない寒さを感じることだろう。
しかし思い出してほしい。我々には、文明の力があるじゃないか。
灯油ストーブ、ガスストーブ、ウッドストーブ、ランタン、湯たんぽ、モバイルバッテリーで使えるホットブランケット、焚火などなど。
これらは全て、電源がなくとも使える優秀な防寒装備だ。
また、ユニクロさんの極暖ヒートテックの上と下、ぬくぬく毛糸の靴下、ダウンジャケットにダウンパンツと、重ね着すればいくらでも暖かくなることはできるのだ。
「ほらやっぱり!色んな道具が必要になるからハードルが高いんだよ!」という声が聞こえてきそうだが、確かにそこは認めよう。
しかし、ヒートテックやダウンジャケットは気にしなければ普段着のものを代用することは可能だ。人によっては灯油ストーブや湯たんぽなど、既にお持ちのものもあるのではないだろうか?
私が冬キャンプに必ずもっていく装備は改めて紹介するとし、寒さについては工夫次第でいくらでも対策のしようがあるということを、ここでは言いたい。
なぜかホッとできる
最後の理由は、冬キャンプにはホッとすることが多いからだ。
冬の時期、寒い屋外から暖かい家の中に帰ってきてホッと感じたことはないだろうか?
また、お風呂に入ったり、温かいコーヒーを飲んだり、ぬくぬくお布団に入ったときに、誰しもがホッとした感覚でリラックスできる状態を感じることだろう。
これは、寒い環境で筋肉が緊張し縮こまっているときに温かいものに触れることで、縮んだ筋肉がほぐれ一瞬力が抜けたような感覚になるからだ。筋肉や神経がほぐれることで血行が良くなり、身体も心もリラックスしている状態になる。
この「癒し」の瞬間が、冬キャンプには多く存在することを私は感じている。
- 極寒の屋外から暖かいテントに入る瞬間
- 寒い夜に食べる暖かいお鍋
- 寒い夜に火やストーブを囲んで飲むホットワイン
- 寒い朝の目覚めに飲むコーヒー
- 寒いときに入る近くの天然温泉
このように、冬キャンプはまさに「癒しのキャンプ」なのだ。
逆に夏の暑い時期に冷たいものを飲んだり、シャワーを浴びて「気持ちいい!」と感じることはあるかもしれないが、スッキリするのであって「ホッとする」ものとは異なる。春や秋の景色を見ても、「きれい!感動する!」ことはあっても、「ホッとする」ものではないだろう。
キャンプという大自然に癒され(冬なのであまり緑は感じないかもしれないが)、文明の力によって身も心もホッと癒される。
そんな魅力が冬キャンプにはあるわけだ。
この「ホッ」をキャンプに求めるのであれば、是非とも冬キャンプデビューにチャレンジしてほしいものだ。
きっと後悔しないものになることだろう(ただし、万全な防寒装備をした上で)。
個人的な冬キャンプの魅力
本日は、年間キャンプの中で私が一番おすすめする冬キャンプについて、その魅力をたっぷりと語らせて頂いた。
春・夏・秋のキャンプに飽きてきてそろそろ冬キャンプデビューを考えている方はもちろんだが、初心者の方がいきなり冬キャンプでデビューするのも、私はありなんじゃないかと思う。
ただし、しっかりとした準備をすることと「すべては自己責任」であることを理解した上での話。できれば、まずは経験者に連れて行ってもらうことから入るのがベストだろう。
最後に、私が実際に冬キャンプをしたときの様子を思い出しながら、その魅力を、表現力が乏しく文章力の無い私が、なんとか文章でお伝えさせて頂く。
以上。ご清聴ありがとうございました。