最近は自宅に居ながらでもアウトドア感を感じられる部屋づくり、インテリアが流行っていたりする。手軽にアウトドアインテリアを楽しむには、まずはお持ちのキャンプ道具を普段の生活に取り入れてみると良いだろう。
以前の住まいでは、手持ちのキャンプ道具を普段使いすることで、極力家具を買わずともおしゃれな部屋づくり、かつ身軽な住環境で生活することができていた。しかし道具の中には、普段使いに適さないものもあり、自身でいろいろと試してみたものだ。
そこで本日は、「キャンプ用品を自宅で使うメリットとデメリット」と「普段使いできる道具の選び方」について、私なりの考えをお伝えしたいと思う。
こんな方に読んで欲しい
- 気軽にアウトドア風インテリアを楽しみたい
- お気に入りのキャンプ道具を普段の生活でも使いたい
- 自宅でも使えるキャンプ道具が知りたい
キャンプ道具を自宅で使うメリット
メリット①:家具を買わなくて良い
普段の生活の中でキャンプ道具を使うことのメリットのひとつ目は、家用の家具を買わなくて良いということだ。
例えば、テーブルやチェア、調理器具などについては、キャンプ道具をそのまま家で使うことは十分可能である。特にこれから一人暮らしをはじめるため、家財道具一式をそろえる必要がある方であれば、できるだけキャンプ用の道具で家財道具を揃えてみるのもアリだと思う。今後いざキャンプを始めたいとなったとしても、そのまま持ち出すことができるので、コストをかけずとも気軽にキャンプをはじめることができるからだ。
また、できるだけモノを持ちたくないミニマリスト志向の方にとっても、キャンプ道具の普段使いは非常におすすめしたい選択肢だと思う。必要最低限のものだけで生活するスタイルを目指すのであれば、自宅でも使えてキャンプにも持っていける道具を選ぶことで、家の中の荷物を減らすことができるので、まさに一石二鳥。
最近では、キャンプ道具の選択肢も非常に多いものとなっているので、自分の部屋に合わせた好みの道具を探すことも難しくはないだろう。
メリット②:キャンプ道具の収納場所を確保しなくてよい
メリットの二つ目としては、キャンプ道具の収納を気にしなくてもいいということだ。
キャンプが趣味の方で、恐らく多くの方が悩んでいることが「キャンプ道具の収納場所」だ。道具によっては決して小さくはないものになるので、部屋の収納スペースに余裕がある方でない限り、キャンプ道具をどこに収納するかは頭を悩ます問題になる。
そこで、それらの道具を普段の生活でも使うようにすることで、「収納」の心配することは少なくなるだろう。
メリット③:引っ越しが楽
キャンプ道具は持ち運んで使用することを前提として設計されているものがほとんどだ。よって、引っ越しをする際に、荷物をできるだけ小さくすることが可能になり、これが大きなメリットになる。
お仕事柄、引っ越しが多いという方にとって、引っ越しの都度大きな家具を移動させたりすることが面倒で大変だと感じられる。キャンプ道具を家具として使うことで、引っ越しの際の荷物を減らし、小さくすることができるのは、大きなメリットだと言えるだろう。
メリット④置くだけで「映える」インテリアのアクセントになる
アウトドア風インテリアを取り入れたい理由として一番多いのは、「おしゃれな部屋づくり」を楽しみたいということであろう。
普段良く目にする生活感漂う部屋から、少しアウトドアテイストなアイテムを取り入れることで、おしゃれな印象にがらっと変わる。
洒落た部屋のインテリアを目指すのは難しいと考えるかもしれないが、家具などに敢えてキャンプ道具を使うことで簡単にそれっぽく見せることができる。
キャンプ道具を自宅で使うデメリット
デメリット①:キャンプにもっていくときの準備が面倒
キャンプに行こうとする際、普段から家具として使っているキャンプ道具を持っていくことになるので、準備が大変になってしまう。
普段から整理整頓する習慣があればまだしも、机の上にものを置きっぱなし、椅子に服をかけっぱなしだという場合、一度これらをどかす必要があるので、キャンプ前の準備はもはや部屋を片づけるのと同じくらい面倒になる。
また、部屋中あちこちに使っているキャンプ道具を集めて準備する必要があるので、忘れ物の原因にもなってしまう。キャンプ場へ到着後、「あ、しまった!〇〇忘れた!あの部屋のあそこに置いてあるのに!!」なんて言っても後の祭りだ。
パッキング時はできるだけ計画をしながら準備をするよう心がけよう。
デメリット②:キャンプから持って帰ってきたときも面倒
楽しいキャンプから帰ってきて、やっとの思いで部屋に運んだキャンプ道具たちを、今度は部屋のもともとの定位置に戻すことになる。
またテーブルやチェアなど、地面に触れるものについては、脚に土がついていたり濡れていたりするので、拭いてから広げないと部屋中砂まみれになってしまうこともある。
よって撤収時には、できる限りその場で綺麗に拭いてから持って帰ることを心がけた方が良いだろう。
デメリット③:普段使いに向いていないものもある
やはりキャンプでの使用を前提として設計されている道具になるので、中には普段使いに向いていないものもある。
例えば、テーブルやチェアなどの脚でフローリングを傷つけてしまう形状のものがあったり、調理器具や食器については電子レンジや食洗器対応でないものも多い。
家で使うことも視野にいれてキャンプ道具を選ぶのであれば、できるだけ実物を見たり、対応している家電について調べておく必要がある。
普段使いできるキャンプ道具
様々な便利なキャンプ道具が増えて、どこでも快適に過ごすことができるようになった昨今、日常生活でも不自由しないくらいの道具をほぼ全てキャンプ道具で補うことは可能ともいえるだろう。
かつてほぼすべての家具をキャンプ道具で揃えていた私が、実際どのような道具が日常生活で使えるかについて、その選び方も含め詳しく紹介したいと思う。
ファニチャー
ファニチャー、いわゆるテーブルやチェアなどは何の違和感もなく日常使いすることができるだろう。
特にこれらは、部屋の中に置くにしても大きなスペースを占めることになるので、キャンプ道具で兼用することで荷物を大幅に減らすことができるだろう。また、最近ではおしゃれなデザインのものも増えてきており、テーブルひとつを置くだけでも部屋の雰囲気を変えることができるだろう。
注意したい点としては、日常使いに適している構造かどうか。
キャンプ用テーブルに多くある、天板がメッシュ状のものや蛇腹状のものだと、パーツの間に隙間ができるため、机の上で文字を書いたり細かい作業をするのには向かない。また軽量設計のため、安定性があまりないものもできるだけ避けたいところだ。1泊程度のキャンプなら我慢できるものの、毎日使うテーブルについては、やはりしっかりと安定したものを選びたい。
また、チェアを購入する際には、脚の形状に注意して頂きたい。
キャンプ用チェアはもちろん屋外で使うことを想定しているため、硬い金属あるいはプラスチックの脚が多い。それを直接フローリングの上に置いて使ってしまうと、簡単にフローリングを傷つけてしまうことになりかねない。脚のカバーをつけるか、ラグをひくことで対策はできるので、すぐに使わないようにしよう。
ファーニチャー選びのポイント
- 天板がフラットで使いやすく、しっかり安定したテーブルを選ぶこと。
- フローリングが傷つかないように、脚にカバーをするかラグをひくことも考える。
- あとは、自分が好きなものを選んで良し!
調理器具、カトラリー
- 鍋、フライパン
- スプーン、フォーク、箸
- コップ、お皿
一人暮らしであれば、この程度の調理器具さえあれば十分に生活できるだろう。
ただし、ご家庭がIHを使っている場合、IH対応のものでないと温められないことに注意。もちろんキャンプ道具に「IH対応」なんて親切なことは書かれていないので、自分で判断する必要がある。
IH対応かどうかを確認する簡単な方法は、「鍋の底に磁石がひっつくかどうか」で判断できる。磁石がひっつけばIH対応(非公式だけどね)、ひっつかなければIH非対応になる。
こちらの記事で、金属の特性について紹介をしているが、簡単に言えば、
- 鉄、スチール ⇒磁石にひっつく
- ステンレス、アルミ、チタン ⇒磁石にひっつかない
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参考【キャンプ道具に使われる金属を徹底解説】素材を理解して適切な道具を選ぼう。
ご存じのように、キャンプ道具の一部あるいは多くの部分で「金属」が使われております。 キャンプ道具に使われる金属の例 シェラカップ、マグカップ ⇒ アルミ ダッチオーブン、スキレット ⇒ 鉄 焚火台、バ ...
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その他、電子レンジや食洗器への対応についても注意する必要がある。
レンジ加熱
【使える容器】
- 陶器・磁器・耐熱ガラス(※ただし、次の物は使えません。)
- 金属模様の器や色絵の付いた器は、火花が出たり、塗装がはがれる恐れがあるため使えません。
- 高温になる料理は、急熱・急冷に強いガラス製容器をお使いください。
- 耐熱140℃以上のプラスチック、ラップ、シリコン容器(※ただし、次の物は使えません。)
- 油脂や糖分の多い食品(高温になる)
- 密閉したふたや袋
- 「電子レンジ使用可能」表示のない容器
【使えない容器】
- 金属容器、アルミホイル、金ぐし
付属の角皿、金あみや金属製の焦げ目付け皿なども使えません。- 耐熱140℃未満のプラスチック
高温になり溶けます。- ポリエチレン、メラミン、フェノール、ユリア樹脂
電波で変形します。- 漆器
塗りがはげたりひび割れたり、燃えたりします。- 耐熱性のないガラス
カットガラスや強化ガラスも溶けたり、割れたりします。- 紙製品、木製容器
耐熱加工されているクッキングシートやオーブンシートなどはパッケージ記載の耐熱温度に従ってお使いください。
食洗器は「高圧」「高温」の水と「専用洗剤」を使うため、気を付けないと食器を傷つけるどころか、下手すれば食洗器自体を壊しかねない。
とはいうものの、非常に便利な家電であるので、以下に注意すれば基本的に何を入れても大丈夫だろう。
食洗器を使って洗えないもの
- 危険を伴うため、次の食器は入れない
- 強化ガラス製のもの
- 飛ばされやすい軽いもの
- 食器が変色するおそれがあるため、次の食器は洗わない
- クリスタルグラス、カットグラス
- 漆塗りの食器
- 銀、アルミ、銅のなべや食器
- 木(竹・とう)製の食器
- 食器の損傷につながる恐れがあるため、次の食器は洗わない
- 木製のまな板
- 鉄製のフライパン
- 貫入食器(ひび割れ模様、ステンドグラス状の食器)
- ひび割れのある食器
- フッ素加工されたフライパン
- 木製食器や、木製の柄のついた鍋類
- 金やプラチナの付いた食器
- 錫製のコップ
- 耐熱温度90℃以下のもの
- その他、次の食器は洗わない
- 徳利やビン
- 専用洗剤に洗えないと記載のあるもの
何はともあれ、迷ったのであれば、シェラカップとプラスチック製のボウル皿、カトラリーセットさえあればなんとかなるものだ。
調理器具・カトラリー選びのポイント
- IHヒーターの対応、電子レンジ、食洗器で使えるかを確認。
- 悩んだら、シェラカップと耐熱プラスチックのボウル、カトラリーセットでOK。
- シェラカップは、小皿、取り皿、コップにも使える、優秀過ぎる。
寝具
「人生の1/3は睡眠」と言われることからも、寝具はできるだけキャンプ道具ではなく、専用のものを使いたいものだ。それでも「俺は寝具もキャンプ道具に染めたいんだ」という志の高い猛者に対してのみ読んで欲しいが、シュラフとマットでも十分対応可能だということ。
布団などはファスナーで開けるタイプの寝袋で十分使えるだろう。体全体を覆うマミータイプよりも、お布団タイプの方が汎用性が高いのでお勧めだ。また、寝袋によっては洗濯機で丸洗い可能のものもあるので、使いようによっては一般的な布団より使いやすいと感じるかもしれない。
マットについては、フローリングの硬さとご自身の背中・腰の強度にもよるので、エアマットやウレタンのものお好きなものを選ぶと良いだろう。こればかりは実際に数日寝てみないとなんとも言えない部分ではあるが、私は暑さ8cmほどのシルバーマットの上にエアーマットを敷いていたが、1週間ほどで挫折してしまった。
もしコットを使うのであれば、テーブルと同様、脚によるフローリングへの傷には十分注意してもらいたい。
寝具選びのポイント
- 家使いの寝袋は、開いて使えるお布団タイプがおすすめ。
- コットの脚には注意。下にはラグをひいた方が良い。
- (できれば、寝具は家庭用のものを選びたい…)
照明器具
天井のシーリングライト以外にも、デスク上やベッド横に置きたい小さい照明として、ランタン型のLED照明はおすすめできる。ひとつ置くだけでも、一気におしゃれ感が増し、暗くなってから明かりをつけるのを楽しみにさえ思えるだろう。
最上のロマンを求めて、ガソリンランタンやガスランタンを使いたくなるかもしれないが、それは絶対にしてはいけない。誤って倒してしまったり、一酸化炭素中毒になる可能性があるからだ。
どうしても火が揺らぐような演出が欲しいのであれば、そういうLEDもあるので探してみると良いだろう。
ちなみに私は、テーブル横にランタンポールを置き、その上からLEDランタンを照らすなんてこともしていた。以下で紹介しているコールマンのLEDランタンでは、オプションでACアダプタ電源も購入できるので、常用使いとしても優秀。
デスクライト程の明るさは必要なく、必要最低限の明るさだけを確保したいのであれば、LEDランタンを使うのはおすすめだ。
照明器具選びのポイント
- ガス、ガソリンはNG。LEDのランタンを選ぶこと。
- 電池は充電式、もしくはAC電源タイプのものが良い。
- デザイン重視で選ぶべし。
バーベキューコンロ
庭がないけど、バーベキューがしたい!?立派なベランダがあるじゃないか!!(きっと)。物干しにしか使っていないその狭いベランダで、たまにはのんびりとバーベキューをするのも良いのではないだろうか?
どれだけ狭くとも、ソロ用のテーブル、チェア、そしてバーベキューコンロくらいであればベランダに置くことは可能だと思う。
ただし、炭を使ったバーベキューは手間がかかったり危険にもなるので、ガスストーブを使う方が無難だと思う。また、OD缶を真下に取り付けるタイプのシングルバーナーだと、肉の油がかかってしまうので、分離式の方が良いだろう。
雨の日でキャンプにいけなかったり、たまには家で違った楽しみをしてみたいという方にもおすすめなキャンプごっこのひとつである。
ガスストーブ選びのポイント
- ベランダでバーベキューをするのであれば、ガスストーブが手軽で良い。
- カセットコンロに肉の油がつかないように気を付けること。
おうちに居ながらアウトドアを楽しむ
本記事では、アウトドア風のインテリアを楽しむにあたり、キャンプ道具を自宅で使うメリットとデメリットについて、実際に私の経験を元にお話しさせて頂いた。
また、それぞれの道具の選び方についても紹介し、お勧めの商品を紹介させて頂いた。
アイテムひとつから置いてみるだけでも、おしゃれな部屋づくりができるので、興味のある方は一度試してみてはいかがだろうか?