コロナウィルスの存在が定着しだし、世間では「ウィズコロナ(コロナと共に)」という言葉がちらほら聞かれるようになってきた。そんな中、昨今のキャンプブームも相まって、3蜜とは無縁なキャンプを求めて、その人口は増えているのが現状だ。
そんな中このような悲しいニュースを目にしたことで、この記事を執筆している。
ウィズコロナ時代におけるキャンプを安全に楽しむためにも、いちキャンプを愛する私なりの考えを「キャンプを楽しむために我々キャンパーが意識したい3つのこと」としてお話させて頂きたい。
- キャンプサイトでの感染リスクを理解し、工夫・対策する
- 「自分の身は自分で守る」ことで周りの人を守る
- 改めてキャンプマナーをきちんと守ること
この時期にキャンプに行こうとしている方、行こうか悩んでいる方、そして行くと決めたものの少し心配している方にとって、必ず考えてほしい私からのお願いである。
キャンプサイトでの感染リスクを理解し、工夫・対策する
都会ではコロナウィルス拡大防止のため、様々な行動の自粛を強いられてどうしてもストレスをためこんでしまっている。そこで大自然の開放的な空間にいくことで、ついつい気持ちが大きくなってしまい、非日常な生活に気が緩んでしまうこともあるだろう。
確かに、キャンプといえば3蜜とは無縁な空間で、感染リスクも少ないかもしれない。
しかし今一度考えてほしいことは、
「キャンプ場でもコロナウィルス感染のリスクはゼロではない」
ということ。
キャンプサイトにおける感染リスクについて理解する必要があるのだ。
- トイレや水洗い場などの共有スペースの集中
- 開放空間で感染防止マナーが怠りがち
- ウィズコロナ時代で、キャンパー人口が更に増加
- 他府県からのキャンパーが集中しやすい
もともとは大自然の中で開放的な空間であることには違いないが、人が集まることによって3蜜化が進んでしまうことになる。
実際に、キャンプ後にコロナの陽性反応がでたケースも報道されている。
県などによると、盛岡市の男性は22~26日に関東地方のキャンプ場に県外の友人3人と滞在し、車やテントに宿泊した。友人の1人が28日に陽性が判明し、男性は29日に県内でPCR検査を受けて感染が判明した。のどの違和感とせきなどの症状があるといい、県内の医療機関に入院した。
キャンプサイトでも感染の可能性はゼロではないことを今一度理解する必要がある。
キャンプを楽しむためのコロナ対応ガイドライン
日本オートキャンプ協会が発表しているガイドラインを抽出させて頂く。
キャンプに行く前に是非一度目を通して頂きたい。
キャンパーが取るべき感染防止策
- 県境をまたぐ移動については、キャンプ場のある自治体の指示に従う。
- 食材や消耗品などの購入は、できるだけ自宅周辺で済ませる。
- 出発前に検温などを行い健康状態をチェックする。
- キャンプ場に到着する途中(サービスエリア、観光施設など)でも3密状態(密閉・密集・密接)を避けるようにする。
- キャンプ場は日常生活を共にしているメンバーで利用する。
- キャンプ場のチェックインは代表者一人が行う。
- キャンプ場では運営者の指示に従い、感染防止に積極的に協力する。
- 管理棟、炊事場、トイレなどの屋内施設では3密状態を避けるようにする。
- マスクを持参し、他人との距離を十分取れない恐れがある場合に着用する。マスク着用時は熱中症リスクに注意する。
- 消毒用アルコールは引火の危険があるので、特に子供は消毒直後に火に近づかないよう注意する。高温になる車内には保管しない。
感染防止の工夫・対策を行う
トイレや水洗い場、バーベキューピットなどの共有スペースにおいては、比較的感染するリスクが潜んでいるといえるだろう。
キャンパーが増えることで、これら共有スペースの使用密度は増えてしまい、3蜜化してしまうことは避けられない。
そんな3蜜化を防ぐために個々の工夫が求められる。たとえば、どうしても集中しやすい
- 夕食時間前後の水洗い場
- 就寝前のトイレ、洗面台
- チェックアウト前の水洗い場
これらの時間をずらすことで、感染のリスクを減らすことは可能だ。
「普段より少し早く夕食や就寝の準備をする」「水洗い場に行く前に込み具合を確認して、できるだけ少人数で行くようにする」などのちょっとした工夫を個々が意識することで、3蜜化を防ぐことはできるわけだ。
個々が少しずつ意識するだけで、キャンプを安全に楽しめる環境をつくることができると思う。
日常生活の感染防止マナーも忘れてはいけない
日常生活で行っている感染対策も怠らずに行うべきだろう。共有スペースに行く際には、アルコール消毒やマスク着用、大声で話さない、できるだけ少人数で行動するといったマナーも必要だと思われる。
大自然の中とはいえ、他人と共有している空間である意識を忘れてはいけないと思う。
「キャンプにきてまでマスクなんかつけたくない」と怒られそうだが、最低限他人と接触しやすい状況や共有スペースなどではマナーを守るべきだ。
「自分の身は自分で守る」ことで周りの人を守る
近頃は、自主的にコロナ対策を取られているキャンプ場も増えてきている。緊急事態宣言が発令した期間では、閉鎖していたキャンプ場も、ウィズコロナ時代に合わせて対策をとりつつも、営業を再開しだしている。
普段であれば、「何か問題があれば全て自己責任」で済むかもしれないが、コロナウィルスに関してはそうはいかない。
普段一緒に生活をしている家族や職場の仲間に対して、「あいつキャンプいってコロナにかかったらしいよ」と後ろ指指されるだけでは済まない。もちろん、キャンプサイトだけでの問題ではないのだが、自分がいつ加害者になるのかわからない恐ろしさがある。
私自身も、職場の仲間が家族に陽性反応が出たことで濃厚接触者と認められ、大変な思いを経験した。
その仲間の行動範囲に対してアルコール消毒を行い、さらなる徹底した感染予防。さらには、もしその仲間に陽性反応が出たのであれば、自分たちも濃厚接触者とされ営業停止はおろか、自分たちの家族にまで迷惑をかけてしまうことにもなりかねない。
そういう意味でも、キャンプを計画する前にあらためて、自分に問うて欲しい。
不安だったら「行かない勇気」も大事
ヤマケンさん(Hyper Camp Creators)も仰るように、「行かない勇気」も大事だと思う。
少しでも、「もし今自分がキャンプにいくことで、大事な人がかかってしまったなら…」と思うのであれば、世間が落ち着くまでの間少しだけ我慢することも必要だ。
キャンプに行けない間、普段はできなかった道具やギアの手入れをしたり、おうちの庭でなんちゃってバーベキューをしたり、楽しみ方はいくつもあることだろう。(とはいえ、こういうことをしていると余計キャンプにいきたくなるのも事実…)
改めてキャンプマナーをきちんと守ること
もし行くと決めた場合、通常通りのキャンプマナーを忘れないこと。
窮屈な日常から抜け出して、キャンプサイトにつくと気が緩んでしまい、いつもならきちんと守っているキャンプマナーをついつい忘れてしまうかもしれない。
キャンプマナーの原点である「近隣と自然に配慮する」ことを、改めて意識してほしい。
冒頭でも申し上げたような、近所に迷惑をかけるようなことを決してしてはいけない。
特にこの時期だからこそ注意してほしいことは、
- 近隣の道路での路上駐車をしない
- ごみを放置しない
- 大声で話したり、大音量で音楽を流さない
- 過密なテントの設営
- 水場などの共有スペースを大人数で占用しない
- 規定時間外での入外場
- 指定区域外でのテントやタープの設置
「他人もやってるからいいじゃん」「ちょっとだけなら・・・」という甘い気持ちが集まることで、周りの人に迷惑をかけてしまいかねないということ。
一人ひとりのマナーやエチケットがあるからこそ楽しめるレジャーであることをもう一度再確認してほしい。
自分で考えて行動することが大事
お客さんが来ないことで運営が難しくなるキャンプサイトがあることも事実。
もし陽性反応者が出てしまって閉鎖を余儀なくされる可能性があるのも事実。
キャンプに行きたくても自由に行けない人がいることも事実。
いち平凡キャンパーとして何が悲しいかというと、リスクも理解せず身勝手なキャンパーのせいでキャンプサイトやその近隣に対して迷惑をかけてしまいかねないということ。
大事なことは、「自分で考えて行動する」ことだと思う。
そのためには、キャンプサイトでの感染リスクを理解し、もし行くのであれば十分な心掛けと工夫・対策をすること。もし少しでも不安であれば行かない勇気を持つこと。
一刻でも早く落ち着いて、楽しく自由にキャンプができるときがくることを心から望んでいる。