キャンプというレジャーは、基本的にキャンプ場が開いている限り年中いつでも楽しむことができる。ただしそれは、道具がそろっていればの話。
夏用の軽装備しか持っていないキャンパーが、同じ装備で1月2月の真冬キャンプを行うことは極めて困難であろう。ましてや、山奥のキャンプ場ともなれば、都会の寒さとは比べ物にならない厳しさで、楽しむはおろか危険とも思える行為。
ふと気になった今回のコンテンツ、結局キャンプをするならいつがおすすめなのか気にはならないだろうか?
そこで、私が普段から愛用させて頂いている京都府と奈良県の境目あたりに位置する「笠置キャンプ場」を例にさせて頂き、年間の気温、降水量、そしてキャンプ場の混雑状況を照らし合わせて考察してみたいと思う。最後に、個人的ベストなキャンプシーズンを発表したいと思っている。
経緯や考察はいらない、ベストなキャンプシーズンだけ教えてくれ!というせっかちな方は、最後まで飛ばしていただいて結構だ。
笠置キャンプ場のデータ
まずは簡単に笠置キャンプ場のプロフィールを紹介させて頂く。
笠置キャンプ場のプロフィール
住所 | 京都府相楽郡笠置町木津川河川敷 |
アクセス案内 | 京奈和道・木津ICより15km、車で約20分。 |
駐車場 | 利用者用駐車場あり(サイト内へ乗り入れOK) |
乗り入れ可能車両 | 乗用車 / トレーラー / キャンピングカー |
立地環境 | 川 |
施設タイプ | フリーサイト |
サイトの地面 | 砂 |
出典:笠置キャンプ場(なっぷ)
笠置キャンプ場の年間の気温と降水量
笠置キャンプ場の気温と降水量は、京都府笠置町のデータを使うことにする。
笠置キャンプ場が位置する「京都府笠置町」の年間の気温(最高、最低)、降水量は以下の通り。
本来ならば、以下の要素について検討してみる必要がある。
- 標高と気温の関係
- 標高100M上昇するにあたり、気温は0.6度下がる
- 風速と体感温度
- 風速1Mの風にあたると、体感温度は1度下がる
笠置キャンプ場の標高は50m。川沿いのキャンプ地なので、風はまぁ強いほう…
なんだかよく分からないし、こんなことを言い出したらきりがないので、ここでは上の気温とほぼ同等として判断しよう。
参考
気温と体感温度について興味のある方は、「温熱環境評価指数 PMV PPD」とググってみてほしい。4つの物理的要素(室温、平均放射温度、相対湿度、平均風速)と2つの人体的要素(着衣量と作業量)を考慮して、快適/不快適指数なんてものを出すことができるらしい。
キャンプ人口
さすがに、「年間の利用者を教えてください」なんて言えたはずもない。
ここでは、一般財団法人オートキャンプ協会が発行している「オートキャンプ白書」から、キャンプの年間利用者の推移を引用させて頂く。
もちろんこのデータは笠置キャンプ場だけのものではないが、利用者の推移を知る上では十分役に立つと思われる。
そして、さきほどの笠置キャンプ場のデータと対照させたデータがこちらになる。
各シーズンのキャンプを比較(メリットとデメリット)
先ほどのデータをグラフ化したのがこちらになる。
では、このグラフを元に、年間通してキャンプを経験した私の経験を踏まえてメリットとデメリットについてお伝えしよう。
春(3月~5月)
いよいよキャンプシーズン到来と言われるこの季節。また、キャンプ初心者にもおすすめとされるのがこの春。
景観としても、花見をしながらのキャンプなんて贅沢なことができるのは、この春キャンプの醍醐味であろう。雨の心配も少なく、日中はぽかぽかしており、タープの下でチェアやコットの上でお昼寝を満喫することができる。
しかし初旬のほうだとまだ肌寒いと感じるかもしれない。特に日が沈んでからは、まだまだ寒い季節。
ただ、それなりに防寒対策さえすれば、3シーズン用のテントやシュラフでも十分に乗り切れるだろう。
徐々にキャンパーたちが活動を始める時期であり、ゴールデンウィークに至ってはキャンプ場も今年初めてのピークを迎える時期だ。
キャンプサイトの予約もいっぱいになりつつあり、フリーサイトのキャンプ場だと本当に朝早くに出発しないと満員で入場できなくなる可能性がでてくる。
確かに初心者にはベストなキャンプの季節かもしれないが、ゴールデンウィークのキャンプについての計画と準備は早めにしておくべきだろう。
春キャンプのメリット
- 暑すぎず寒すぎずベストな気候で初心者にもおすすめ
- お花見を楽しみながらのキャンプができる
- 3シーズンテントでも対応できる
春キャンプのデメリット
- 夜はまだまだ寒い
- 人気キャンプサイトではもう予約いっぱいになることも
夏(6月~8月)
ピークのゴールデンウィークが過ぎ、梅雨の6月に入るとキャンパーの数が大きく減っている。やはり雨の日のキャンプというのは、あまり楽しいものではないと感じてしまう。
また、キャンプサイトによっては川の増水の危険が懸念される。
逆に言えば、これらのリスクを理解した上で、雨のキャンプの楽しみ方ができるキャンパーにとっては、ある意味ベストなシーズンともいえるかもしれない。
7月8月にはいると、再びキャンプの混雑が予想されるようになってくる。それとあわせて気温もぐんぐん上昇。日中はおろか熱帯夜で寝苦しいキャンプになってしまいかねない。電源のあるキャンプサイトであれば扇風機を持ち込むことである程度は対策できるが、フリーサイトともなればそうはいかない。
加えて、蚊や虫の対策も必要になってくる。
この時期であれば、近くに川のあるキャンプ場や比較的涼しい林間や高地のキャンプ場がおすすめだろう。また、あまり道具を持っていないライトユーザーでも、荷物が少なく気軽にキャンプにいけるのはこの季節。ただし、キャンプ地の確保は困難を極めるだろう。
夏キャンプのメリット
- 軽装、比較的少ない道具でも十分に楽しめる
- 川遊び、海遊びが最高に気持ちいい
夏キャンプのデメリット
- 日中も夜中も暑く、しっかりした防暑対策が必要。
- 梅雨の季節や突然の豪雨には注意。
- 人や虫が多く、苦手な人にとってはきつい。
秋(9月~11月)
1年を通して、もっともキャンプがお盛んなのはこの9月のようだ。
気温もだんだんと涼しくなりだし、1日を通して最も過ごしやすいと感じることだろう。また紅葉シーズンということもあり、なかなかの混雑が予想される。
実際私も9月にキャンプ場へ行った際、一時は撤退も視野に入るほどの混雑具合だったことがある。
前月8月とこの9月にキャンプに行きたいと思っているのであれば、予約サイトであれば数か月前から準備、フリーサイトであれば本当に早朝から出発しないとたどり着くのは難しいだろう。
10月、11月に入りだすとキャンパーの数が急に減りだすものの、春シーズンと比べても気候の面であまり差はない。むしろ残暑残るところもあり、地域によっては春キャンプよりも過ごしやすい季節になるかもしれない。そういう意味でも、初心者の方にとっては10月あたりのキャンプはおすすめだと言えるだろう。
3シーズンもののキャンプ道具の出番は、大体この辺りまでになることだろう。それに合わせて、ライトキャンパーのキャンプシーズンも終わることになり、キャンプサイトも落ち着きだす頃。
秋キャンプのメリット
- 紅葉を楽しみながらのキャンプは圧巻。
- 暑すぎず寒すぎずベストなキャンプシーズン。
- 日中と夜の寒暖差もそこまで大きくはない。
秋キャンプのデメリット
- まだまだキャンパーは多い。9月に至っては、混雑はピーク。
- 近年の台風は強烈。直前直後のキャンプはできるだけ控えたい。
冬(12月~1月)
よほど寒さに強い人でない限り、この時期のキャンプは厳しいものだと思う。日中の太陽があるうちはまだ何とか活動できるが、夜から朝にかけての寒さといったら、本当に骨の芯まで凍ってしまうほど。暖房器具がある暖かい自宅が恋しくなり、そのまま帰りたくなることもあるかもしれない。
また、キャンパーにとってはシーズンオフともいえるこの季節、キャンプ場が混雑することはまずないだろう。人気のキャンプ場ならまだしも、通常のサイトであれば当日予約でも入れる可能性がある。
ここまで過酷といった冬キャンプだが、他シーズンとは異なった楽しみがあるのも、この冬キャンプだ。他の季節とはまるで違う澄んだ空気と満天の星空。しっぽりキャンプファイヤーを楽しんだり、温かいホットワインを片手に火を囲んで談笑したりと、冬ならではの楽しみがある。
冬キャンプのメリット
- 空気が澄んでいて、夜の星空は最高。
- 虫も人がいない。のんびりキャンプを楽しめる。
- 雨が少なく、天気の良い日が多い。
- 鍋が最高にうまい。
冬キャンプのデメリット
- 日中はまだいいが、夜は非常に寒い。しっかりした防寒対策が必要。
- テント内の結露がすごい。テントの隅に置くものには要注意。
私のおすすめは冬キャンプ。その次に秋キャンプ。(※個人的見解)
決して寒さに強い私ではないのだが、個人的におすすめするのは冬キャンプだ。
また、私が友人や初心者をキャンプに連れていくのであれば、冬キャンプを選ぶだろう。
冬キャンプがおすすめな理由
- 混雑していないため、のんびりとしたキャンプを楽しめる。⇒一番重要
- 夏の「暑さ」に比べて、冬の「寒さ」は対策しやすい
- なぜかほっとした気持ちになる
私の考える冬キャンプの魅力については、こちらの記事で熱く語っているので、興味がある方は是非参考にしてほしい。
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秋キャンプについても、暑すぎず寒すぎず比較的気軽にいけるキャンプということで初心者にもおすすめできる。
狙い目としては、残暑が和らぎ気候的にもおだやかな10月。これくらいの時期だと春キャンプと比べて、夜冷えが少なく道具が少なくとも快適に過ごせるだろう。
結局、キャンプしたいと思った時が「キャンプ日和」
]こんなことを言ってしまうと、この記事自体成立しなくなってしまいかねないが、シーズンに関係なくキャンプをしたいときに楽しめるのがキャンプの魅力のひとつであろう。
冒頭で申したように、キャンプは年中いつでも楽しめるレジャーである。
とは言え、初めての野外での宿泊だと不安なことも多いはず。一般論的な結論になってしまうが、ご自身でキャンプに求めるものを重視して、キャンプの季節を選ぶと良いだろう。
目的に応じたおすすめなキャンプシーズン
- 初心者、道具が少なくても快適に楽しみたい ⇒秋キャンプ、春キャンプ
- 季節や景観を楽しみたい ⇒春キャンプ、秋キャンプ
- 川遊びや体を動かすアクティビティを楽しみたい ⇒夏キャンプ
- のんびりとしたキャンプを楽しみたい ⇒冬キャンプ